先輩行員の声

伊予銀行 シップファイナンス部 
 重見 優子さん(2009年入行)

地方銀行で海外業務も経験できる

  • 東京での学生生活や海外留学の経験を地元のために活かす

     私は、小学校から高校まで愛媛で過ごし、大学進学で上京しました。海外留学も経験し、東京の生活も楽しみましたが、就職活動の際に、ふと「ふるさとなのに、愛媛の経済や産業についてあまり知らない」ということを感じました。また、東京一極集中に対する問題提起や、「グローカル」といった言葉が再び注目されてきた時代でもあったように思います。
     そのような中で、地方でこそ海外経験などを活かすことができ、経済・社会の勉強にも役に立つと考え、地方銀行である伊予銀行を志望しました。

  • シップファイナンスで学びの毎日

     2009年に入行し、松山市内の営業店へ配属となりました。もともと大雑把な性格ということもあり、物事を正確・迅速に処理しなければならない銀行の業務に慣れるには、時間がかかりました。ジョブローテーションで営業店の仕事をひととおり経験し、入行2年目の8月に、起ち上げ当初のシップファイナンス室への異動を命じられました。
     シップファイナンスは、融資の手法としてはシンプルですが、そのマーケットと収益性は世界経済や地政学的事象と直結しています。貸出金の多くは、USドルやスイスフラン建てであるため、為替や金利の変動にも大きな影響を受けます。また、商流の中に海外企業が直結しているという点でも、国際情勢へのアンテナや語学力が求められ、日々学びの毎日です。

  • 誇り高き「海運王国、愛媛」の地方銀行

     大きく印象に残っているのは海外勤務です。2016年末に開設したシンガポール支店で営業係を経験しました。シンガポール支店での貸出金は、そのほとんどがシップファイナンスであり、貸出金残高を積み上げることができたのは、「海運王国、愛媛」の地方銀行だからこそだと思います。
     驚くことに、海外の船会社にも「Imabari Owner」は高い認知度を有し、歴史的に今治の船主を中心にシップファイナンスを行っている伊予銀行に対する期待度も高いものでした。世界的にも有数の船社向けシンジケートローンに参加した際(その他の参加行は大手海外銀行)、契約セレモニーを間近で見ながら、「地方銀行で働いていて、海外の金融機関に交じって海外企業に貸出することになるとは」と感慨深く、また大きな達成感を得たことを思い出します。

  • 出向先でのたくさんの苦労と学び

     2015年、海運業界の勉強のために、大手商社のシンガポール支店へ2年間出向しました。海運の専門的な取引や契約の話を英語で行わなければならないのですが、会話についていけず、面談記録もろくに共有できなかったこともあります。特に出向した当初は、「せっかく出向したのに、この会社にも銀行にも貢献できていない」と無力さを感じる日々でした。
     一方で、出向先では、皆さんが親切で、業務に関しては真摯に、時には厳しく指導していただき、プライベートでも交流がありました。大切な人脈を築けたこと、自分の仕事のやり方に対して20代後半で課題感を持てたことは、貴重な経験だと思います。大きなハードルを感じた仕事の後には、大きな学びが待っているということを実感しました。

  • シップファイナンスのスペシャリストとして

     数年ごとに異動することが一般的な地方銀行において、入行2年目以降ずっと同じ分野に携わってきたことは、当時においては珍しいことだと思いますし、専門的な知識を身につけることができ、ありがたい環境をいただいています。今後はこれまでに学んだことや築いた人脈を、若い世代の行員に指導し伝えていくことが、自分に課せられた使命だと考えています。



  • 大事なのはコミュニケーション

     シンガポール支店での勤務を通じ、国内と海外では契約書も融資の条件も異なりますが、結局は人間同士のコミュニケーションなのだということを学びました。地方銀行員ならではの「ウェット」なリレーションを通じた営業は、国内でも海外でも醍醐味の1つだと思います。正に「グローバルな視野で地域に根ざした活動(伊予銀行の行動指針)」をしたい方にこそ、ぜひ挑戦してほしいと思います。


2023年1月23日掲載

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