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平成24年度の地方銀行における 「地域密着型金融」 に関する取組み状況について −農林水産業、再生可能エネルギーなど、成長産業への取組みを推進−
地方銀行における「地域密着型金融」に関する取組み状況
2013年09月18日
一般社団法人全国地方銀行協会(会長 谷 正明)は、平成24年度の地方銀行64行における地域密着型金融に関する取組み状況の取りまとめ結果を当協会のホームページに掲載いたしましたので、お知らせいたします。
地方銀行は、地域のお取引先が直面する経営課題を共有し、ともにその解決に当たることを社会的使命として、各行が自らの特徴を活かした地域密着型金融を実践しています。本取りまとめは、これらの取組みをより多くの皆様に知っていただくため、平成22年度から当協会において地方銀行全体の取組み状況を公表しているものです。
ホームページでは、全体的な取組み状況に加えて、会員各行の具体的な取組み事例を分野別に317掲載しています。また、今回は特集として、農業、再生可能エネルギー、観光、医療・介護といった地域の成長産業への取組み状況を取りまとめました。
次回は、平成25年度の状況を、平成26年度上期中に公表する予定です。
本件に関するお問い合わせ先
企画調査部 (新村、佐藤(竜)) TEL 03(3252)5171
概要
特集:地域における成長産業支援の取組み
農林水産業や再生可能エネルギー分野への取組みを推進し、地域の発展に貢献
地域の持続的発展のため、農林水産業、再生可能エネルギー、観光、医療・介護など、地域の成長産業の育成に向けて次のような施策に積極的に取り組みました。
- ◆農林水産業への取組み
農業経営者の資金ニーズへの対応のほか、地域産品を活かした新商品開発などの6次産業化支援や、農業セミナーの開催、6次産業化プランナー等の行内の専門家の育成など。 - ◆再生可能エネルギー分野への取組み
再生可能エネルギー事業専用の融資商品の開発、発電事業会社の設立支援など。 - ◆観光分野への取組み
行政や地元の観光業者と連携した外国人観光客の誘致や、大手旅行代理店に対するプレゼンテーション大会の開催など。 - ◆医療・介護分野への取組み
介護事業セミナーの開催や、介護施設の経営課題解決支援など。
地方銀行の「地域密着型金融」への取組み状況
1.東日本大震災からの復興支援
被災されたお客さまの経営再建や生活を全力でサポート
東日本大震災からの復興を積極的にサポートし、直接的・間接的に被害を受けられたお客さまの経営再建や、生活支援、地域全体の活性化に向けて全力で取り組みました。
2.地元の中小企業者等のお客さまの経営支援
創業・新事業の開拓を目指すお客さまへのサポート
地元大学や地公体等との連携など、地銀のネットワークを活かした支援を実施
融資や企業育成ファンドへの出資を通じて事業立ち上げ時の資金需要に対応しました。また、大学、地方公共団体等との連携による新たな技術の商品化への協力など、地方銀行ならではのきめ細かなサポートを行いました。
- ・創業・新事業支援融資実績 平成24年度中 464億円(前年度中382億円)
- ・地方銀行全体で203の企業育成ファンドに約622億円を出資(平成24年度末)
更なる成長を目指すお客さまへのサポート
ビジネスマッチング成約件数が前年度の1.3倍。現地銀行との提携等により海外進出支援態勢も強化
日々の営業活動を通じて、地元のネットワークを活かしたビジネスマッチングに取り組んだほか、多くの商談会の開催等により販路拡大を支援しました。また、海外進出支援に関しては、現地通貨での融資や、法律・税制に関する現地情報の提供などを行いました。
- ・ビジネスマッチングの成約件数 平成24年度中 32,313件(前年度中24,250件)
- ・地方銀行全体で約10,000先の海外進出や海外ビジネスの支援を実施。
経営改善、事業再生等が必要なお客さまへのサポート
DDSへの取組み件数が前年度の2.3倍、ABLの融資残高は前年度末の1.6倍に
地域経済活性化支援機構等の外部機関と連携しながら、経営再建計画の策定など事業再生に向けた支援を行いました。また、DDSやABL(下記の用語解説参照)の活用、企業再生ファンドへの出資を通じ、再生に取り組むお客さまの支援を行いました。なお、地方銀行全64行が平成24年8月にスタートした経営革新等支援機関制度による認定支援機関となっており、本制度の活用により、地域密着型金融をさらに深化してまいります
- ・経営改善支援取組み先のうち、
再生計画策定率:62.5% (前年度63.7%)
ランクアップ率:7.7% (同5.4%) - ・DDSの実績 平成24年度中
件数112件(同 49件) - ・ABLの実績 平成24年度末
先数:1,631先(前年度末1,372先)
残高:2,038億円(同1,244億円)
(用語の解説)
- ・DDS(デット・デット・スワップ)…既存の貸出債権を他の債権よりも弁済順位が劣後する債権(劣後ローン)に変更すること。劣後ローンのうち一定の要件を満たすものは資本的劣後ローンと呼ばれ、銀行の自己査定上、資本とみなされるため、債務者にとっては新規融資を受けやすくなる等のメリットがある。
- ・ABL(動産・債権担保融資)…借り手の事業活動そのものに着目し、牛、豚、野菜その他の農畜産物等の動産や売掛債権を担保に資金を貸し出す仕組み。