地方銀行を知ろう
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Q1地方銀行と、メガバンクや第二地方銀行との違いは何ですか。
地方銀行は、地域を営業基盤とする銀行のうち、当協会に加盟する銀行です。全部で62行あります(2024年3月現在)。
また、いわゆるメガバンクは、主として大都市に営業基盤を置き全国展開する銀行です。海外での事業にも積極的に取り組んでいます。
第二地方銀行は、地域を営業基盤としている点は地方銀行と同様ですが、旧相互銀行から普通銀行に転換した銀行であり、一般社団法人第二地方銀行協会に加盟しています。
地方銀行の一覧はこちらをご覧ください。 -
Q2地方銀行は、全ての都道府県にあるのですか。また、海外にも拠点はあるのですか。
愛知県を除く46都道府県に地方銀行の本店があります。営業基盤の都道府県内エリアに店舗網を展開しており、それ以外の地域(近隣都道府県、首都圏)にも店舗を持つ地方銀行が多いです。
また、地元の取引先の海外展開を支援する観点などから、アジア(上海、香港、シンガポール等)を中心に、欧米(ロンドン、ニューヨーク等)に支店や駐在員事務所等を持つ地方銀行もあります(2024年4月1日現在、35行106拠点)。
地方銀行の本部所在地はこちらをご覧ください。 -
Q3数字の付いた銀行名にはどのような由来があるのですか。
第四北越銀行、十六銀行、十八親和銀行、七十七銀行、百五銀行、百十四銀行の6行は、1872年制定の国立銀行条例に基づいて国立銀行の「開業免状」を受けた順番が銀行名の由来となっています。
国立銀行は、1873年に開業した第一国立銀行(現在のみずほ銀行)から1879年開業の第百五十三国立銀行(現在は廃業)まで、153行が設立されました。
なお、八十二銀行は、第十九銀行と六十三銀行が合併して設立され、両行の数字を足し合わせた数字(19+63=82)が銀行名の由来となっています。また、三十三銀行は、三重銀行と第三銀行が合併して設立され、両行のそれぞれの強みをプラス(+)するという意味合いが銀行名の由来となっています。 -
Q4地方銀行は、どのような業務をしていますか。
銀行の3大業務と言われる「預金」「融資」「為替」の業務のほか、多様化するお客さまのニーズに対応して、シンクタンクや人材紹介、証券会社等のグループ会社も一体となって幅広いサービスを提供しています。
例えば、地元中小企業に対しては、円滑な資金供給に加え、コンサルティング機能を発揮し、創業・新規分野への進出支援、販路開拓等の事業支援、デジタル化による生産性向上、事業承継など、お客さまの直面する様々な経営課題の解決を支援しています。
また、個人のお客さまに対しては、ライフプランやライフステージに応じて、投資信託や保険などの金融商品の提供や、相続・信託・財産管理サービスの提供により、安定的な資産の形成・管理・継承を支援しています。
このほか、地方銀行は全国の6割近い地方自治体の指定金融機関として、公金の収納・支払の事務を取り扱っており、地方行政のメインバンク機能を担っています。
地方銀行が行っている業務は、以下をご覧ください。
・地銀協レポートVol.10「地域の魅力を世界へ!―地方銀行における取引先の海外展開支援」
・地銀協レポートVol.9「地方銀行における取引先の業務のデジタル化支援に向けた取り組み」
・地銀協レポートVol.7「地方銀行による若年層の資産形成サポート」
・地銀協レポートVol.4「改正銀行法を契機とした新たな銀行ビジネスの展開」
・地銀協レポートVol.3「地方銀行の高齢顧客向けサービスの取り組み」
・地銀協レポートVol.3「地方銀行×人材ビジネスで地域活性化に貢献~地方銀行の人材紹介業への取り組み」 -
Q5地方銀行は、地元地域のためにどのような貢献をしていますか。
地域経済は人口減少や少子高齢化など、社会構造の大きな変化に直面しています。人口減少に歯止めをかけ、豊かな生活を安心して営むことができる地域社会の実現に向け、地方創生に積極的に取り組んでいます。
具体的には、地元企業や地方自治体とも連携して、観光の振興や移住定住の促進など、様々な取り組みを行っています。
また、地元産品などの販路開拓や新商品開発・ブランディングなどを支援するため、地域商社を設立する動きも見られます。
こうした取り組みは、社会課題の解決と経済成長の両立を追求するSDGsの取り組みとも相通じるものです。
地方銀行の地方創生に関する取り組み事例は以下をご覧ください。
・地方創生事例集
・地域商社の取り組み
・古民家等歴史的資源の活用支援
・地域密着型金融の取り組み
・地銀協レポートVol.12「地域の農業を支える地方銀行」
・地銀協レポートVol.10「おいしいお酒と地方銀行―「地」酒の陰に「地」銀あり」
・地銀協レポートVol.9「地方銀行におけるスタートアップ支援~スタートアップが地域と世界を元気にする~」
・地銀協レポートVol.6「地方銀行における金融経済教育の取り組み」
・地銀協レポートVol.1「地域の魅力を発信する地域商社」 -
Q6地方銀行は、気候変動問題への対応として、どのような取り組みをしていますか。
地方銀行は、CO2排出量や紙の削減目標を設定し、環境保全に向けた取り組みを強化しています。具体的には、環境に配慮した店舗づくり、再生可能エネルギーの積極的な利用などを進めています。CO2排出量の削減については、銀行自身だけでなく、投融資先企業等も含めて削減目標を設定しようとする動きも始まっています。
また、お客さまの気候変動問題への取り組みを支援する観点から、CO2排出量を削減するためのプロジェクトに対する資金供給や、各種コンサルティング活動に積極的に取り組んでいます。
多くの地方銀行が、統合報告書やディスクロージャー誌において、気候変動問題に関する取り組みを公表しています。
地方銀行における気候変動問題への取り組みの詳細は、以下をご覧ください。
・地方銀行における環境・気候変動問題への取り組み
・地銀協レポートVol.8「気候変動への地方銀行のアプローチ~リスク管理の視点から~」
・地銀協レポートVol.6「広がりを見せる地方銀行の再生可能エネルギー事業への取り組み」
・地銀協レポートVol.4「地方銀行のサステナブルファイナンスへの取り組み」 -
Q7地方銀行は、利用者が安心・安全に取引できるようにどのような取り組みをしていますか。
地方銀行は、インターネットバンキング不正送金や振り込め詐欺など特殊詐欺の防止、サイバーセキュリティの強化などに取り組み、安全・安心な金融サービスの提供に努めています。
例えば、インターネットバンキング不正送金への対策として、ワンタイムパスワードや二重パスワードの設定、取引限度額の設定などに取り組んでいます。
また、特殊詐欺を未然に防ぐため、銀行窓口やATMコーナーでのお客さまへの声かけ、店頭ポスターやWebサイトなどでのお客さまへの注意喚起、口座開設時の本人確認・開設目的の確認などを行っています。
なお、犯罪組織などへの資金の流れを止めることで犯罪やテロを未然に防止し、お客さまの安心・安全な生活と預金や資産を守るため、お客さま情報や取引の目的などの定期的な確認も実施しています。マネー・ローンダリング対策へのご理解とご協力をお願いいたします。
地方銀行のマネロン対策への取り組みは「地銀協レポートVol.3(2021年11月17日公表)」をご覧ください。 -
Q8地方銀行は、利用者が便利に取引できるようにどのような取り組みをしていますか。
タブレット端末の導入などにより、ご来店いただいたお客さまが各種手続きを効率的に行えるよう工夫しています。また、ご高齢のお客さまや障がいのあるお客さまが安心してご利用いただけるよう、スロープや手すりの設置、視覚障がい者対応ATMの設置、行員による代筆・代読を行うなどの取り組みを行っています。
このほか、いつでもどこでも多様なサービスが受けられるよう、他の企業とも連携し、モバイルアプリやインターネットバンキングで提供するサービスの充実、電子マネー・QRコード決済への対応、送金サービスの利便性向上などに取り組んでいます。
地方銀行における利便性向上に向けた取り組みは、以下をご覧ください。
・地銀協レポートVol.11「誰もが利用しやすい銀行―― 障がいのある方に配慮した取り組み」
・地銀協レポートVol.7「地方銀行におけるQRコード決済への取り組み」
・地銀協レポートVol.5「手形・小切手の全面的な電子化に向けて~取引先企業のDX支援の観点から地方銀行も積極的に取り組み~」
・地銀協レポートVol.1「税公金収納の効率化・電子化に向けて」 -
Q9地方銀行は、多様な人材が活躍できるようにどのような取り組みをしていますか。
不確実性が高く変化が激しい時代において、持続可能性を確保するためには、多様な人材の知識・経験・能力などを活かすことが重要と考えられます。そのため、地方銀行は、多様な人材が活躍できる環境整備に取り組み、ダイバーシティ&インクルージョンを推進しています。
具体的には、女性行員のキャリアアップ支援、女性の管理職への登用目標の設定、仕事と育児の両立支援、男性の育児参画の促進などに取り組んでいます。業界全体では、行員が結婚や配偶者の転勤など、転居を余儀なくされて退職する場合に、転居先近隣の地方銀行へ転職の紹介を行う「地銀人材バンク」を実施しています。
また、障がい者への安定した雇用機会の提供も進めています。中には、「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づく「特例子会社」を設立し、各種発送業務やノベルティグッズの作成など、働く意思と能力をお持ちの障がい者に、能力を最大限に発揮できる職場環境を整備している銀行もあります。
さらに、中途採用者の管理職への登用目標の設定、シニア人材の活躍の場の積極的な整備、外国人留学生採用の強化などに努めている銀行もあります。
地方銀行における多様な人材の活躍については、以下をご覧ください。
・地銀協レポートVol.11「国内外で活躍︕地方銀行のスポーツチーム」
・地銀協レポートVol.8「地方銀行で活躍する理系人材」
・地銀協レポートVol.8「地方銀行における副業・兼業の取り組み」
・地銀協レポートVol.5「地方創生のために銀行の『外』で働く地方銀行員」
・地銀協レポートVol.2「女性の活躍の場を広げる地方銀行の取り組み」 -
Q10地方銀行の経営状況はどこをみれば確認できますか。
銀行の事業年度は4月1日から3月31日です。当該事業年度における財政状態や経営成績などの経営状況は、四半期ごとに決算として公表しており、各行Webサイトの決算短信や有価証券報告書(四半期報告書)などで確認することができます。
なお、地方銀行全体の決算の概要等はこちらをご覧ください。 -
Q11全国地方銀行協会はいつ設立されたのですか。
当協会は、1936年9月25日、全国の地方銀行272行を会員として、「地方銀行の健全強化を図り、公共の利益を増進し、地方産業の興隆を期する」ことを目的に、「社団法人全国地方銀行協会」として設立されました。
太平洋戦争による戦時統制の強化により、1942年6月10日、当協会は統制組織への再編を余儀なくされて解散し、地方銀行の業態としての自主的活動は中断することになりました。
戦後、地方銀行界において、経済の再建復興に際して利害の共通する問題に対処するため、地方銀行だけの団体の再興を期待する機運が高まり、1946年7月12日、有志銀行により「地方銀行懇談会十三日会」が発足しました(当時の地方銀行53行全行が参加)。
「地方銀行懇談会十三日会」は、1950年1月14日、「社団法人地方銀行協会」として再発足しました。その後、翌1951年5月11日、「社団法人全国地方銀行協会」と名称変更し、2011年10月3日、「一般社団法人全国地方銀行協会」に移行しました。現在、地方銀行全62行が加盟しています(第二地方銀行協会加盟行を除く)。
当協会の略史はこちらをご覧ください。