2025年1月1日
全国地方銀行協会
会長 秋野 哲也
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年頭所感
年頭所感
謹んで新春のお慶びを申しあげますとともに、旧年中に賜りましたご支援、ご厚誼に心から御礼申しあげます。
昨年は、能登半島地震や、台風第10号、各地で発生した豪雨など、全国各地で甚大な自然災害が発生しました。被害にあわれた皆様に心よりお見舞いを申しあげます。私ども地方銀行は、一日も早い復旧・復興に向けた支援に取り組んでまいります。
昨年を振り返りますと、わが国の経済は、雇用・所得環境の改善や、インバウンドを含む個人消費の回復等により、緩やかな回復基調を辿りました。3月には、日本銀行のマイナス金利政策が解除され、17年ぶりに「金利ある世界」が到来しました。先行きについては、海外景気の下振れリスク等はあるものの、緩やかな回復が続くと見られています。
一方、構造的な人口減少・高齢化や東京一極集中に伴う人手不足・後継者不足、物価高に見合う賃金の引上げや適切な価格転嫁など、地域の中小企業等が向き合うべき課題は依然として多い状況です。
私ども地方銀行は、地域のお客さまへの資金繰り支援に万全を期すことはもちろんのこと、様々な課題に対して伴走支援を行うことで、地域のお客さまの課題解決に貢献してまいります。
今年度、全国地方銀行協会は、「地方銀行の健全な発展を通じて金融経済の伸長に寄与し、もって公共の利益を増進する」という設立目的のもと、「会員銀行を通じた地域経済への貢献」、「会員銀行の健全な成長支援」、「協会事業の高度化・効率化」等に積極的に取り組んでまいりました。
本年も、これらの取り組みを着実に進めます。
「会員銀行を通じた地域経済への貢献」については、地方銀行は、法人のお取引先が直面する課題に応じ、資金面の支援に加え、コンサルティング機能を発揮し、販路開拓や人材確保、業務効率化・デジタル化等の本業支援を行っているほか、事業再生や事業再構築、M&A等による事業承継等も支援し、地域のお取引先を支えています。個人のお客さまに対しては、将来に向けた資産形成ニーズへの対応に加え、金融リテラシー向上のための金融経済教育の提供にも努めています。
協会としては、会員各行の取り組みをサポートするため、勉強会の開催や会員銀行間の知見の共有、各行共通で使えるツールの作成等を行っており、本年も、こうした取り組みを継続してまいります。
11月に閣議決定された「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」でも、中堅・中小企業支援や地方創生2.0、資産運用立国の実現等が打ち出されており、私ども地方銀行も、地域経済の担い手として、しっかりと取り組んでまいります。
「会員銀行の健全な成長支援」については、地方銀行は、自らの価値向上のため、女性活躍促進など人的資本経営、気候変動・生物多様性など社会的要請への対応、コーポレートガバナンスの強化等への取り組みを進めているところです。
協会としては、本年も引き続き、情報提供や取組事例の共有、各課題に取り組む人材育成のための研修の提供等を通じ、会員各行が取り組みをより一層深化できるよう支援してまいります。
最後に、「協会事業の高度化・効率化」についてです。当協会は昨年、「協会運営の中期ビジョン」作成から約3年が経過したことを受け、これまでの取り組みを評価し、今後、取り組んでいく事項を取りまとめました。
本年は、同取りまとめに沿って、地方銀行業界の魅力を伝える情報発信力の強化や、業務の更なる合理化・効率化に取り組んでまいります。
全国地方銀行協会は、自らも変革しながら、会員銀行の取り組みを支援するとともに、会員銀行の先にある地域のお客さまの課題解決に貢献してまいります。
年頭にあたり、内外ともにこの一年が平和で幸せな年となり、皆さまがますますご発展されますことを心から祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。
以 上